住基ネット裁判の判決色々

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最近、住基ネットにまつわる裁判の判決が色々と出てきているようだ。ショッキングなのは、1つ、プライバシー保護に関して違憲となどいう判決があった。論点は、住基ネットのデータベースを、個人情報のデータベースとみると、それに登録されている市民が、その登録の削除を申し出たときに、削除されないことが、個人情報保護法にも抵触するし、プラベート保護の観点で、違憲となるという判断のようだ。まあ、総論的には、裁判の行方は、まだまだ、様子見だが、、、

ただ、ここで、割り切れない感じがしたのが、国民(もしくは市民)の義務との境界である。つまり、自治体が、市民サービスを行う上で、統治エリアの市民か否かの確認を行う必要は最低限あるものと思われるのだが、その確認を行う上で、データベース照会に、どの程度の利便性と管理が適切かという線引きであろう。今まで通り、紙の台帳を、手作業で、調べれば良いと言うことなのか?
さて、現状の訴訟の頻発も、その発端は、個人情報保護というよりも、個人情報が電子的なデータベースの記録されるリスクや費用に対して、市民サービスが、如何に良くなるかなど、メリットがはっきりしないことや、実感できないことが、最大の要因とも感じている。もし、個人情報の漏洩が問題であれば、それなりの管理を徹底的に行えば済む話であるので、結局、それをしても、多分、不満は、残るのであろう。今までの電子政府実現のメインは、少なくても、小さな政府を目指し、行政側の業務効率であったと記憶している。しかしながら、実際には、政府は、どうしたことか、2匹の兎を追うがごとく、市民の利便性をも向上ということもうたっていた。そもそも、市民に対するサービス向上という観点では、サラーリーマン(例えば、私)を考えると、行政への申請・届出などは、サラリーマン現役中は、少なくても、年に1回も起きないもので、利便性が向上しても、それを体験できるとは、全く思えない。結局、住基ネットにしても、電子申請にしても、受益者は、かなり限られた市民(国民)あることは確かであり、その進退や意義に関して理解も、バラバラにならざる終えない。
以上の現状把握を前提にすれば、このまま、歯抜けになっていくと、住基ネット自身の維持も困難となる可能性は高く、
今後、この手のサービスは、「万人への平等サービス」でなく、「受益者負担的なサービス」へ、方向転換した方が、国民には、受け入れ易いと感じているが、それなりのメリットが感じられるサービスとして、ブラシュアップされることも必須となろう。
さて、観点が変わるが、そもそも、「住民基本台帳」と「住民票写し」を当たり前のように使っているが、、本来の利用目的は、何でしょうか? 原点に戻ると、「住民票写し」は、大雑把ですが、「住民と証する書類」代替であろう。電子化の際には、もしかすると、「住基ネットのデータデータベース」とは、一線を置くために、「住民票写し」でなく、原本そのもの情報でなく、「住民証明書」の方が、しっくりすると思われる。つまり、「住民票写し」という言葉もあまり良くない。言い換えれば、「個人情報のコピー」と同義語だ。それよりは、個人情報のコピーでなく、「住民と証する証明書」とすれば、個人情報そのものコピーでは、少なくとも異なるし、利用目的も明言される。さらに、不特定多数に発行されるかもしれない「住民票写し」とも、一線を引けるだろう。この論点は、紙のときのやり方が、そのまま電子化される手法が良いときと悪いときと、再検討も必要かと感じたところである。一例として、「住民と証する証明書」の形態をとれば、元の住民基本台帳や住基ネットを、行政外の人が、アクセスする必要もなくなり、行政内に閉じた業務効率化のためのシステムとも割り切れる。対照的に、例えば、国民年金は、国民背番号制とも思え、電子化されたデータベースで管理されているが、多分、これを、紙に戻して手作業で管理してくれという世論は、起き難いと思われる。つまり、手作業で年金額の誤りが起きたりするリスク回避や金額照会を即時に行えるというメリットなど、電子化には、ある程度の必然性や日常体感できるメリットが、国民に理解される必要があるようだ。結局、現在の状況において、電子政府実現に関して、国民本意での見直しの時期もきているのかもしれない。

【一例】
思い付きではあるが、電子化において、「住民票写し」の代わりでとして、仮称で、「本人確認サービス」という観点に気が付く。これは、民間での「住民票写し」の利用目的とその流通を念頭においたもので、例えば、市民が、某かの申込書に住民票写しを添付して、ある組織に提出する。その組織は、受領した「住民票控え」で、申込書に記載の申込者がその住民であり存在し、申込資格を有することを、確認するのであろう。このワークフローでは、その組織は、その「住民票写し」の真贋を、受領時は、職員の常識に基づいて、みなし検証する。何か問題が発生したり、監査において、発行元である自治体へ真贋検証を依頼するようなことになろう。この場合、住基台帳を、不特定多数が閲覧可能とする利用シーンは、思い浮かばない。
この電子化の例として、大ザッッパには、市民は自分の住民証明書(最低限、発行者の電子署名を付ける)を、提出先を指定して請求して、自治体から電子的に発行してもらい取得する。この証明書を、電子申請(申込)の時に、添付する。住民証明書は、請求時に指定した提出先からのみ、電子的に、真贋判定(改ざんが無い)か有効性確認がなされるような仕組みとする。第三者には、真贋の判定はできないようにする。以上のように、2者間での申請・申込ワークフローにおいて、「住民票写し」よりも、「住民証明書」が、その目的にフィットすると思うのである。
さて、ここで、ピンとこられた方もおられると思うのですが、これ以上は、どこぞから営業妨害と言われるのも、不本意なので、読者の想像に任せよう。

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このページは、Digi Pontaが2005年6月 1日 22:23に書いたブログ記事です。

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