「新事業」という言葉の冗長性が危険

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一言で、「新事業」と言ってしまうと、大分、誤解が多く、ややもすれば、ご都合主義的に使われたり、危険な言葉であることには、間違いないし、この文章の意味が理解できていない方々には、まあ、運が作用することがあるかと思うけど、確率論的には、すぐに撤退という結末が待っているに違いない。。。。

多分、「ビジネスが回っている」とは、ある程度の顧客(市場)を対象に、製品を通して、既存顧客の顧客満足度を向上して、新たな顧客へ拡販していくような向上サイクルが確立されている状態を言うと考えている。このサイクルが出来ているとして、組織において、「新事業」という言葉が、何のことを言っているのかという疑問を持たざるおえないと思うのである。
このサイクルにおいて、「製品に対する顧客満足度の向上」を実現する方法には、組織の選択の自由度がある程度あると信じている訳であるが、一般的には、サービス充足や、新機能や新サービスの追加などを、既存の顧客へアピールするということになるだろう。「新事業」と言ったときに、この「製品に対する顧客満足度の向上」のためのビジネスの改善部分のことを言うことが、もっとも地に足の着いた認識と思われる。この選択では、背景のない唐突なアイディアは、まったくもって手にあまるものになる。
一方、一般大衆が考え易い解釈としては、組織にない新しい分野で新しい顧客にアピールするようなビジネスのことを、「新事業」と思いがちであるが、これは、もっと成功すること無い選択と思われる。失敗する多くは、ゼロから積み上げるように、既存のリソースでまかなおうと計画するようなビジネスにあるまじき選択であろう。過去の記事でも書いているは、組織は、ビジネスの種を向上サイクルで育てることは出来ても、ビジネスの種を新しく作ることは、かかる時間や、経営上、非常にリスクが高く、相容れないものとなっている。この経営課題を解決する方法として、M&Aという選択肢が存在していると認識する。エンジェルやインキュベータの充実など社会的な環境の充実も必要なのであるが、商材(技術など)と小さなマーケットの両方を有しているものが「ビジネスの種」というものだろう。どちらか一方だけだと、単なる趣味の産物である。組織は、大きく育てられる「ビジネスの種」を探して、組織に取り込んで、「ビジネスの種」を育てることが、もっと、リスクを低減して、新しい分野でかつ新しい顧客へアピールする方法論と思うのであるし、国際的には、ほぼこのようなポリシーで組織を成長させていると思うのである。
日本でも、新会社法や金融商品取引法などのポリシーには、「経営の効率化」という項目があるが、これは決して、「日本で言う合理化」や「経費削減」を助長している訳ではなく、企業が成長し続けることを強いていると言われている。現在、日本の生産性は、他国と比べて低いという状況でもあり、今後、顕著になる人口減少や少子化などへの対応には、生産性の向上は必須なところと考えられる。誤解してはいけないのは、「生産性の向上」の目標は、多分、現在の10倍以上であり、現在の仕事を単に改善することだけでは、決して実現されないことを肝に銘じておかないと、多くの組織で、過労死やメンタル不全する方々も、顕著に増加することは、明らかだ。この生産性の劇的な向上を実現するためのキーワードが、イノベーションという方もおられる。どちらにしても、組織の上から末端まで、改心が必須とも感じるところだ。
余談になるが、現在、多くの経緯者は、ビジネスそもの有り方や特性を理解してきており、組織のあくなき成長を維持する舵を取れるようになっていているものと思われる。その状況において、エジソンの考案した研究所(組織として)の存在意義も、ほぼ役目を終えたと感じざるおえない。今後、組織の成長に寄与できる新しい体制を打ち出して、躍進する組織が、社会的にも、求められると思う。
さて、現在のビジネスを改善しながら、組織にない新しいビジネス(あえて、新しい収益の柱)を取り込みつつ、生産性を10倍以上の高めていかないと、中国や韓国、東南アジアなどの高度経済成長にある国々に追い越されるばかりか、日本国そのもの経済が、維持できないという結末も十分ありえると考えられる。

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このページは、Digi Pontaが2006年6月24日 08:29に書いたブログ記事です。

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